セミリタイアで会社を辞めると、給与から天引きされていた年金の支払いを自分で確認することになります。収入が減る予定でも、国民年金の保険料が自動的に免除されるわけではありません。申請が必要で、本人だけでなく配偶者や世帯主の所得も関係します。
結論として、退職後に国民年金第1号被保険者となり、保険料の納付が経済的に難しい場合は、免除や納付猶予を申請できる可能性があります。前年の給与が多かった人も、失業等の特例を確認する価値があります。ただし「退職したから必ず全額免除」ではなく、家族の所得や対象期間を含めた審査で決まります。
この記事では、所得審査の対象者を整理し、失業特例と納付猶予の違い、申請書の確認点、承認後の支払い、将来の年金額と追納まで説明します。制度情報は2026年10月に確認した日本年金機構などの公式案内に基づきます。具体例は条件を理解するための仮定で、個別の承認を保証するものではありません。
- 免除は本人・配偶者・世帯主の所得を確認し、納付猶予は世帯主の所得を審査しない
- 失業特例は退職した人の所得に関する特例で、家族の所得審査までなくなるわけではない
- 申請年度は7月から翌年6月。申請する期間と審査対象の所得年を照合する
- 一部免除は残額納付が必要。全額免除と猶予は将来の年金額への反映が異なる
セミリタイア後の国民年金の免除は誰の所得で決まる?

まず退職後の年金区分を確認する
免除の条件を見る前に、自分がどの年金区分になるかを確かめます。退職後も新しい勤務先で厚生年金に加入するなら第2号被保険者です。厚生年金に加入する配偶者に扶養され、第3号被保険者の要件を満たす場合は、配偶者の勤務先を通じて手続きします。この場合の本人の保険料負担の扱いは、申請免除とは別です。
どちらにも当てはまらず、日本国内に住む20歳以上60歳未満の人は、原則として第1号被保険者への切り替えが必要になります。「働く量を減らした」「預金を取り崩して生活する」という生活方針だけでは年金区分は決まりません。勤務先の加入状況、配偶者の年金区分、自分の年齢を先に確認してください。
第1号への加入手続きは、免除申請とは別の手続きです。マイナポータルの国民年金加入手続きの案内では、退職日の翌日から14日以内の提出が案内されています。保険料を払えない可能性がある場合は、加入と免除の相談を一緒に進め、離職票が届くまで加入の届出を放置しないようにしましょう。
60歳以降の任意加入などは同じ扱いではなく、任意加入者は免除・納付猶予を申請できません。学生、生活扶助を受ける人、障害年金を受ける人、出産・育児に関する免除に該当する人も、専用制度の対象かを窓口で確認します。この記事の中心は、第1号被保険者が所得や退職を理由に申請する免除です。
免除は本人・配偶者・世帯主をそれぞれ審査する

一般の申請免除では、本人・配偶者・世帯主それぞれの所得が基準の範囲内かを確認します。家族全員の所得を単純に足して一つの金額で判定する説明ではありません。自分が無収入でも、配偶者や世帯主に基準を超える所得があれば、希望する免除が承認されないことがあります。
世帯主は住民票上の世帯主です。実家で親と同じ世帯になっているなら、その親が審査対象になることがあります。一方、同居している家族全員が一律に対象になるわけではありません。本人・配偶者・世帯主が誰かを住民票の内容に合わせて整理することが出発点です。
配偶者は別世帯であっても審査対象です。単身赴任や別住所で暮らしていることだけで、配偶者の所得確認が不要になるとは考えないでください。日本年金機構の電子申請の入力説明では、別世帯の配偶者も含めて情報を入力するよう案内されています。家計を別にしているという感覚と、制度上の審査対象を分けて確認します。
申請前には、本人・配偶者・世帯主の氏名と、対象となる年の所得、税の申告状況、退職の有無を一行ずつ並べると整理しやすくなります。本人が世帯主なら同じ人を二重に数える必要はありませんが、申請書の該当欄は案内どおりに記入してください。家族の所得が分からないまま「自分はゼロだから通る」と判断しないことが大切です。
所得の基準は年収や口座残高と同じではない
審査で確認する「所得」は、給与の額面年収や毎月の手取り額そのものではありません。給与所得は給与収入から給与所得控除を差し引いた金額で、事業なら収入と必要経費を分けて考えます。日本年金機構による所得の説明でも、収入から各種の控除・必要経費を差し引く考え方が示されています。
現在の基準式は次のとおりです。一部免除の式に出てくる「控除額等」は人によって違うため、表の基本額だけを給与年収の上限として使わないようにします。障害者・寡婦・ひとり親に該当する場合は基準が異なるため、該当条件を伝えて確認してください。
| 申請区分 | 前年所得の基準式 |
|---|---|
| 全額免除 | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 |
| 4分の3免除 | 88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
| 半額免除 | 128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
| 4分の1免除 | 168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
| 納付猶予 | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 |
たとえば扶養親族等の数が0人なら、全額免除の式の結果は67万円です。これは所得の基準であり、「給与の額面年収67万円まで」という意味ではありません。また、扶養親族等の数は単なる同居人数ではないため、夫婦二人で住んでいるという理由だけで人数を1人と置かないようにします。
セミリタイアでは預金の取り崩し、少額の給与、事業収入、投資の取引などが混在することがあります。家計から使った総額をそのまま所得とせず、所得の種類と申告状況を分けて相談してください。口座残高の多さだけを理由に自己判断で対象外としたり、取引を申告する前に必ず通ると見積もったりせず、所得資料と該当区分を照合します。基準式の根拠は日本年金機構の免除・納付猶予制度の案内で確認できます。
申請年度と所得年のずれを理解する
免除・納付猶予の年度は、4月始まりではなく7月から翌年6月です。2026年度分は2026年7月から2027年6月までで、原則として2025年中の所得が審査されます。退職した2026年に申請しても、今月の給与がゼロになったという事実だけで、通常の所得審査がゼロになるわけではありません。
たとえば2026年4月30日に退職し、5月から第1号になる場合、5~6月分は2025年度分、7月以降は2026年度分として分かれます。前者の通常審査は2024年中所得、後者は2025年中所得を確認する形です。複数年度の申請が必要か、失業特例をどの期間に使えるかを窓口へ聞いてください。
2026年10月に退職した人なら、まず2026年度の残りの期間について相談し、翌年7月に次年度の手続きを確認します。退職日の記載、年金加入月、申請年度を同じものと思わないことが重要です。公式の申請できる期間と審査対象所得の対応表を見ながら、申請したい月を年度ごとに分けましょう。
前年の給与が多い場合は失業特例を確認する

失業、倒産、事業の廃止などの事実を確認できる場合は、その人の前年所得にかかわらず免除・納付猶予を審査する特例があります。前年まで会社員として働き、退職後の生活費を手元資金でまかなう予定の人も、前年の給与が多いことだけで申請を諦める必要はありません。
自己都合退職も対象となり得ます。千曲市の保険料免除制度の案内は、退職・失業に倒産や解雇に加えて自己都合退職も特例の対象となることを示しています。ただし、退職理由の区分だけで免除の承認まで決まるわけではありません。国民健康保険の軽減など、別制度の条件をそのまま持ち込まないようにします。
特例が適用されるのは、失業等の事由に該当する人です。本人だけが退職したなら、配偶者と世帯主の所得審査は残ります。夫婦とも退職した場合も、それぞれの退職を確認する情報が必要です。本人の離職票一枚で、働き続ける配偶者や親の所得まで除外されるわけではありません。
雇用保険に加入していた人は、雇用保険被保険者離職票、雇用保険受給資格者証、雇用保険受給資格通知などの写しを用意します。雇用保険の失業給付をすでに受け取っていることだけが唯一の証明方法ではありません。会社から何がいつ交付されるかを退職前に確認し、まだ届かない場合は使える代替書類を年金事務所へ相談してください。
特例の対象期間は失業等のあった月の前月からですが、実際に申請するのは第1号として保険料の対象になる月です。離職日の翌日が失業日となるため、12月31日退職なら翌年の事由として扱う点にも注意します。退職が古い、事業を廃止した、既に同じ退職の証明を提出した場合は、日本年金機構の特例免除の対象期間と窓口の確認に沿って整理しましょう。
納付猶予は世帯主の所得を審査しない
納付猶予は、20歳以上50歳未満の学生以外の人を対象とし、本人と配偶者の所得で審査します。免除と違って世帯主の所得は審査対象ではありません。そのため、親が世帯主で所得があるため免除に該当しない人も、本人・配偶者の条件を満たせば猶予の対象になる可能性があります。
大きな違いは将来の老齢基礎年金です。免除期間は区分に応じて年金額へ反映されますが、猶予期間は追納しない限り年金額へ反映されません。どちらも承認された期間は受給資格期間に算入されますが、保険料を払わずに放置する未納とは異なります。「いま支払わなくてよい」という一点だけで同じ制度と考えないようにします。
50歳以上になってから同じ事情で申請する場合は、通常の納付猶予という選択肢を前提にできません。申請免除の対象となるかを確認します。途中で50歳になる期間を含むなら、対象月ごとの審査区分も年金事務所へ聞いてください。年齢によって家計の組み方が変わるため、退職年齢と申請期間を一緒に伝えると確認が進めやすくなります。
一人暮らし・親との同居・夫婦で判断の分かれ目を整理する

たとえば45歳・配偶者なし・本人が世帯主で、2026年に会社を退職した人を考えます。通常審査では前年の所得を確認しますが、離職票などで失業特例を申請できれば、本人の前年所得が多いことによる問題を特例で扱える可能性があります。まず「退職による特例でこの期間を申請したい」と伝えるのが具体的な行動です。
同じ45歳でも、親が世帯主の同一世帯で暮らす場合は、免除の審査に親の所得が関係します。本人の失業特例だけでは親の所得は除外されません。免除に該当しないときは、50歳未満の納付猶予も審査対象に含まれているか確認します。生活費を親に渡しているかという家計の事情だけで、審査対象が変わるとは判断しません。
配偶者が働き続ける夫婦なら、配偶者の所得は免除にも猶予にも関係します。まず第3号被保険者に該当するかを勤務先に確認し、第1号になる場合は配偶者の所得と控除額を整理します。配偶者と別世帯にするだけで所得審査を回避できると考えたり、免除だけを目的に家族の登録情報を変えたりせず、現在の事実を正確に伝えましょう。
52歳で親が世帯主の家に住む場合は、世帯主の所得が免除に影響し、通常の納付猶予の年齢条件も満たしません。本人の失業特例に加えて、全額免除・一部免除のいずれに該当するかを確認し、支払いが必要なら家計に組み込みます。いずれの例も所得額や控除、対象月によって結果は変わるので、例の人物像だけで承認を予測しないことが大切です。
国民年金の免除を申請し承認後の支払いと将来年金を確認する

申請前に本人・家族・対象期間の情報を揃える
準備する情報は、基礎年金番号またはマイナンバー、住所・氏名・生年月日・電話番号、配偶者と世帯主の情報、申請したい年度と月、失業等の年月日です。番号を確認する書類と、失業の事実を示す書類は目的が違います。年金の番号が分かるだけで失業特例の証明が揃ったとは考えないようにします。
紙でマイナンバーを使う場合は、番号の確認と本人確認の書類を公式案内に合わせて用意します。通常、所得証明書の添付は不要ですが、本人・配偶者・世帯主の税の申告がされていない場合は、市区町村の税務担当窓口で必要な住民税申告を行ってから申請します。所得がない人も、申告状況を確認する対象から外さないようにしてください。
- 年金区分と第1号になった年月を確認する
- 本人・配偶者・世帯主について対象年の所得と申告状況を確認する
- 退職日、離職票等の発行状況、過去に同じ書類を提出したかを確認する
- 7月を境に対象月を分け、必要な申請年度を確認する
- 結婚・離婚・世帯主変更・海外転出入があった場合は変更日も用意する
過去の年度分では、その申請期間の末日時点の配偶者・世帯主を記入する扱いがあるため、現在の家族情報をそのまま全年度へ写さないようにします。申請期間中に世帯状況が変わった場合は、特記事項に変更内容と年月日を記入します。不明な欄は空欄で推測するより、最新様式の説明に沿って確認してください。
審査区分は支払える残額と年金への反映で選ぶ
通常、免除等の区分は全額免除、納付猶予、4分の3免除、半額免除、4分の1免除の順に審査されます。本人が「全額免除しかない」と思って他の区分を外すと、本来検討できた選択肢を狭めることになります。基本の審査順序と、希望しない区分の指定方法を確認してから記入しましょう。
一部免除の残額を払える余力があり、年金額への反映も重視したい人は、猶予より先に一部免除の審査を希望できるか相談します。電子申請の入力項目の説明では、納付猶予の審査順序を変える場合に備考へ記載する方法が案内されています。逆に、残額を払うと生活費が不足するなら、払えない一部免除を前提に計画しないことです。
これは好きな割合を選べば必ず承認される仕組みではありません。所得基準に照らして審査されることと、審査を希望する区分・順序を指定することを分けて考えます。必要な支払いを毎月続けられるかを見積もり、申請書でどこを変更するかは窓口または現行の入力説明で確認してください。
電子申請または窓口・郵送で提出する

電子申請はマイナポータルから進められます。紙の申請書は住所地の市区町村の国民年金担当窓口や年金事務所へ提出でき、郵送も可能です。家族情報や過去年度の変更が複雑なら窓口で確認してから提出し、情報と添付書類が揃っていれば電子申請を選ぶなど、自分が不備なく進められる方法を使いましょう。
加入の届出と免除申請を区別し、免除・納付猶予の対象年度を選びます。複数年度は年度ごとに申請が必要かを確認します。
住所、番号、配偶者・世帯主、申請期間中の変更を確認します。退職による特例は該当する人の区分と年月日を入力します。
電子申請では書類の画像が欠けていないか、紙では必要な写しが揃っているかを確認します。読める状態で提出し、受付を確認します。
電子申請の状況照会や届いた通知で、承認区分、対象期間、必要な残額を確認します。不備の連絡があれば修正して再提出します。
電子申請で入力画面を開いたことと、送信が完了したことは違います。最後に申請状況を確認し、問い合わせに使える受付情報を把握してください。紙の申請書をねんきんネットで作成する機能もありますが、作成・印刷だけで提出が終わるわけではありません。提出先への持参または郵送まで進めます。
提出方法と添付書類は、マイナポータルの国民年金保険料の免除・納付猶予から確認できます。紙の様式を使う場合は、日本年金機構の申請書ダウンロードページを利用してください。
申請中の納付書と承認後の残額を確認する

申請した時点では、まだ承認区分が決まっていません。結果が届く前に納付書が届くこともあります。すぐ捨てたり、申請済みだから今後の確認は不要と考えたりせず、対象年月と申請状況を照合し、支払期限や口座振替の扱いに迷う場合は年金事務所へ確認してください。審査にかかる日数は一律に約束されていません。
承認後は「免除された」という言葉だけでなく、区分と対象期間を確認します。一部免除は、免除されなかった残りの保険料を納めることが条件です。残額を払わないと一部免除が無効となり、未納期間として扱われます。後から免除分を追納する以前に、毎月必要な残額を納めることが先です。
| 承認された区分 | 2026年度の月額納付額 | 12か月分の残額の単純合計 |
|---|---|---|
| 全額免除 | 0円 | 0円 |
| 4分の3免除 | 4,480円 | 53,760円 |
| 半額免除 | 8,960円 | 107,520円 |
| 4分の1免除 | 13,440円 | 161,280円 |
月額は2026年度の公式案内で確認した額で、年度が変われば改めて確認します。12か月の合計は家計を考えるための単純計算で、実際の承認月数、既に納めた月、納付書の内容とは分けてください。たとえば残り6か月だけ半額免除なら、8,960円を6か月分確保する考え方になります。
一部免除は減額後の納付書と通知を照合して納めます。通常額の古い納付書や口座振替がある場合は、どれを使うか、振替がどうなるかを確認し、二重に納めることや支払い忘れを防ぎましょう。却下された場合は理由を確認し、不足情報、別区分の申請可能性、通常納付の方法を窓口で整理します。
免除と猶予で将来の年金額はどう変わる?
2009年4月以降の期間について、全額免除は全額納付した場合の2分の1が老齢基礎年金額に反映されます。一部免除は残額を納付したうえで、区分に応じた割合が反映されます。猶予は受給資格期間に含まれますが、追納しなければ年金額への反映はありません。
| 期間の扱い | 受給資格期間 | その期間の年金額への反映 |
|---|---|---|
| 全額納付 | 算入される | 全額 |
| 全額免除 | 算入される | 2分の1 |
| 4分の3免除+残額納付 | 算入される | 8分の5 |
| 半額免除+残額納付 | 算入される | 8分の6 |
| 4分の1免除+残額納付 | 算入される | 8分の7 |
| 納付猶予 | 算入される | 追納しない場合は反映なし |
| 未納 | 算入されない | 反映なし |
この割合は、自分の年金全体が一律に半分になるという意味ではありません。免除等になった月についての反映割合です。それ以前の納付済期間、厚生年金の加入期間なども含めて自分の記録を確認します。過去の2009年3月以前の免除期間は割合が異なるため、古い記録まで今回の表で計算しないようにしてください。
免除・猶予と未納の違いは老後だけではありません。障害基礎年金や遺族基礎年金にも保険料納付の要件があり、病気や事故が起きてから過去の申請をすれば必ず補えるとは限りません。日本年金機構の申請可能期間の注意事項も、申請を遅らせないよう案内しています。2年1か月前まで申請できる場合があるという制度を、待ってよい期限として使わないことです。
なお、2026年10月に始まった育児期間の免除は、所得審査による今回の申請免除とは異なります。第1号被保険者が1歳未満の子を養育する等の要件を満たす期間は、所得要件なしで、保険料を納付したものとして年金額に反映する制度です。該当する人は厚生労働省の育児期間免除の案内を確認し、一般の全額免除と混同しないようにします。
翌年7月の更新と家族の変化を忘れない
免除・納付猶予は原則として毎年度の申請が必要です。全額免除や納付猶予では、希望すると翌年度以降の継続審査が行われる場合がありますが、失業特例で承認された人は翌年度も申請が必要です。一部免除についても翌年度に改めて申請する扱いを確認します。前年の結果が来年もそのまま続くとは考えないようにしましょう。
失業特例の申請を続ける場合、同じ失業の証明を以前提出していれば再添付が不要な場合があります。証明の添付を省略できることと、年度の申請そのものが不要になることは別です。提出済みの事実を備考に書くなど、現行の様式と窓口の案内に合わせて手続きします。
継続審査を希望していても、結婚・離婚・配偶者の死亡などがあれば届出が必要になる場合があります。再就職で厚生年金に入る場合や、第3号へ変わる場合も年金区分を確認してください。家族の所得が増えた年は結果が変わる可能性があるため、7月の予定と生活の変化があった日の両方で見直します。
余力が戻ったら10年以内の追納を検討する

免除・納付猶予が承認された期間は、後から追納して将来の老齢基礎年金額を満額に近づけられます。追納できるのは、追納が承認された月の前10年以内の期間です。「退職から10年」と一括で考えず、対象となる月ごとに期限が近づくことを意識してください。
追納は自分から申し出て手続きを進めます。免除・猶予の承認を受けた期間の翌年度から起算して3年度目以降の追納には、経過期間に応じた加算額が上乗せされます。通常の納付書に適当な額を足して払うのではなく、対象月と追納額、手続き方法を確認しましょう。一部免除の期間は、納付すべき残額が納付されていなければ追納できません。
追納した保険料は社会保険料控除の対象となります。ただし、いくら税負担が減るかはその年の所得や控除などで変わります。「追納すれば必ず同じ割合で得をする」と固定の利回りのように見積もるのは避け、生活費の予備資金、今の保険料、期限の近い追納候補を並べて判断してください。制度と金額は日本年金機構の追納制度で確認できます。
優先順位を考えるときは、まず現在必要な残額の納付を確保し、次に追納できる最も古い月と金額を確認します。そのうえで、猶予期間と全額免除期間では追納しない場合の年金額への反映が異なることを踏まえ、まとめて払うか一部にするか相談します。急いで運用資産を売る前に、追納期限と手元資金を確認すると判断しやすくなります。
また、国民年金の免除を受けることはiDeCoの掛金の資格にも関係するため、積立をしている人は運営管理機関に現在の年金区分と承認内容を伝えてください。iDeCo公式の変更届の案内でも、本人申請で保険料を免除されたときの届出が示されています。企業型DCの資産移換とは別の問題です。セミリタイアでのiDeCoの資格確認と退職時の移換手続きを併せて確認し、公的年金の申請と私的年金の手続きを混同しないようにします。
まとめ:国民年金の免除は家族の所得と申請期間を揃えて進める
セミリタイア後の国民年金は、退職したことだけで免除されません。第1号への切り替えを確認し、本人・配偶者・世帯主の所得と申告状況を整理したうえで申請します。前年の給与が多い場合は失業特例、親が世帯主で所得がある場合は50歳未満の納付猶予も確認すると、検討すべき制度が見えてきます。
申請後は承認区分と対象月を確認し、一部免除なら残額を納めます。翌年度の申請を予定に入れ、収入に余力が戻ったら追納の期限と金額を確認しましょう。目先の保険料と将来の年金を別々に見ることで、今の家計を守りながら次の判断を進められます。税金や健康保険も含む退職後全体の流れは、セミリタイアの税金と年金の手続きガイドで整理できます。
最初の行動は、退職日が分かる書類を一枚用意し、「何年度の何月分を申請したいか」「誰が世帯主か」「配偶者や世帯主も退職しているか」を確認することです。揃ったら公式の免除・納付猶予申請ページで必要な書類を確認し、電子申請または住所地の国民年金窓口への相談へ進みましょう。
