リベ大のFIREシミュレーションを考える人向けに、5つの力を使った必要資産計算と副収入の見積もりを解説します。リベ大のFIREシミュレーションを弱気・標準条件で検証し、セミリタイア前の税金・社会保険・生活防衛資金の確認手順までまとめました。
結論は、完全FIREに必要な大きな資産だけを追うのではなく、年間生活費から無理なく続けられる副収入を引き、その不足額を資産運用で補うサイドFIREから逆算することです。この記事はリベラルアーツ大学の公開情報を参考にした独自の試算方法であり、公式シミュレーターの紹介ではありません。
- 5つの力をFIRE試算の入力項目へ置き換える
- 必要資産は生活費から副収入を引いて逆算する
- 3%・3.5%・4%の複数条件で余裕を確認する
- 退職前に税金・社会保険・生活防衛資金を点検する
リベ大流セミリタイアのFIRE試算

リベ大の考え方をセミリタイアへ使うなら、最初に「いくら貯めれば辞められるか」だけを決めないことが大切です。家計、収入、運用、リスク、満足度を同じ表に置くと、自分に必要な自由の金額が見えやすくなります。
5つの力を試算へ落とし込む
リベラルアーツ大学が整理する「貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う」の5つの力は、家計改善の標語で終わらせず、FIREシミュレーションの入力項目に置き換えると実践しやすくなります。5つの力の定義は、リベラルアーツ大学の公式解説でも確認できます。
- 貯める力:満足度を下げずに減らせる固定費と年間生活費
- 稼ぐ力:セミリタイア後も再現できる手取りの副収入
- 増やす力:長期運用の想定利回りと無理のない取り崩し率
- 守る力:生活防衛資金、保険、税金、暴落時の対応余力
- 使う力:自由時間や家族との時間など残したい支出
削る支出だけでなく、残したい支出も先に決めるのがポイントです。楽しみまでゼロにした生活費では、計算上は早く到達しても、その暮らしを長く続けにくいからですね。
必要資産は差額から逆算する
サイドFIREの必要資産は、年間生活費のすべてを運用益で賄う前提ではなく、副業や短時間労働で補える金額を差し引いて考えます。FIREそのものの種類や基本を先に整理したい方は、FIREの必要資産と種類別の違いから確認すると理解しやすいです。

必要資産 =(年間生活費 − 年間の手取り副収入)÷ 取り崩し率
たとえば年間生活費300万円、セミリタイア後の手取り副収入120万円なら、資産から補う不足額は年間180万円です。取り崩し率を変えると、必要資産は次のように動きます。
| 取り崩し率 | 必要資産の概算 | 見方 |
|---|---|---|
| 4% | 4,500万円 | 年間180万円 ÷ 0.04 |
| 3.5% | 約5,143万円 | 年間180万円 ÷ 0.035 |
| 3% | 6,000万円 | 年間180万円 ÷ 0.03 |
現在資産や積立額から達成年数まで確認したい場合は、セミリタイアの資金シミュレーション手順もあわせて使うと、数字を自分の条件へ置き換えられます。
弱気・標準・上振れで比べる
1つの前提だけで「達成できる」と判断すると、相場や働き方が想定から外れたときに計画が崩れやすくなります。私なら、少なくとも弱気・標準・上振れの3条件を作り、弱気条件でも暮らしを調整できるかを見ます。
- 弱気条件:生活費が10%増え、副収入が半分になり、取り崩し率は3%
- 標準条件:現在の生活費と再現性のある副収入を使い、取り崩し率は3.5%
- 上振れ条件:副収入と運用が順調でも、4%の結果だけで退職を決めない
さらに、セミリタイア直後に相場が下がるケースも別に確認します。運用資産を安値で売らずに済むよう、数か月から1年程度の生活費を現金で分ける案も比較対象に入れると、出口の判断が現実的になります。
リベ大流セミリタイアの実行手順

試算の数字が整っても、すぐに退職届を出す必要はありません。リベ大の5つの力を順番に試し、会社員の間にしか取りにくい選択肢を残しながら、生活を段階的にセミリタイアへ近づけます。
会社員のうちに穴を確認する
退職後は、給与から天引きされていた税金や社会保険を自分で管理します。住民税は前年の所得の影響を受けるため、退職初年度の支出を通常年と分けて見積もると安心です。
家族がいる場合は、自分だけの生活費ではなく世帯全体で合意した金額を使います。教育費や住み替えなど大きな予定は、毎月の生活費と別の予備費に分けてください。
副収入を先に小さく再現する
「辞めたら副業を始める」より、在職中に小さく売上を作り、作業時間と手取りを測る方が安全です。売上ではなく、経費と税金を差し引いた後に生活へ回せる金額をシミュレーションへ入力します。
- 週に使える時間を決めて、本業を圧迫しない範囲で試す
- 単月の最高売上ではなく、半年程度の平均手取りで見る
- 1社や1サービスだけに依存せず、収入減の代替案を持つ
月10万円を安定して作れるなら年間120万円です。先ほどの例では、4%試算の必要資産を7,500万円から4,500万円へ下げる計算になります。ただし、働けない期間もある前提で、収入ゼロの条件も残しておきましょう。
長期・積立・分散を続ける
増やす力は、短期間で大きく当てることではありません。セミリタイア資金のように失敗時の影響が大きいお金ほど、長期・積立・分散を基本にし、手数料や税金を差し引いた条件でも比べます。
新NISAなど税制優遇のある制度は資産形成に役立ちますが、制度の利用だけで計画が安全になるわけではありません。使う時期が近い生活費まで値動きの大きい資産へ寄せず、現金との役割を分けることが大切ですね。
守る力で撤退条件を決める
セミリタイアは一度決めたら戻れない試験ではありません。資産残高、副収入、健康、家族状況のどれかが基準を下回ったら、勤務日数を増やす、支出を一時的に抑える、開始時期を遅らせるといった撤退条件を先に決めます。
| 確認項目 | 事前に決めること |
|---|---|
| 生活防衛資金 | 運用資産と分けて確保する月数 |
| 副収入 | 下限額と不足時に増やす労働時間 |
| 市場下落 | 売却を減らす支出調整と現金の使い方 |
| 健康・家族 | 計画を停止または見直す条件 |
守る力は、挑戦をやめるためではなく、安心して続けるための仕組みです。怪しい高利回り話や一発逆転へ近づかず、計画から外れたときの行動を機械的に決めておく方が再現しやすくなります。
90日試して移行を判断する
最後は、本番に近い生活を90日だけ試します。収入、支出、自由時間、体調を記録すると、数字では見えなかった「この働き方を続けたいか」まで判断できます。
セミリタイア後に想定する月額で暮らし、無理な我慢がないか確認します。
限られた時間で得られる手取りと、続けられる作業量を測ります。
実績値を弱気条件へ入れ直し、退職・時短・継続のどれが合うか選びます。
リベ大流のセミリタイアは、働くことを完全に捨てる計画ではなく、お金にまつわる5つの力で「働き方を選べる状態」を作る道筋です。必要資産、副収入、生活の満足度を何度も調整し、自分に合うサイドFIREへ近づけていきましょう。
資金以外も含めた全体の進め方は、セミリタイアを実現するロードマップで順番に確認できます。まずは今月の生活費と、週に確保できる副業時間を書き出すところから始めると動きやすいですよ。
